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シンシナティ・ベンガルズに続き、大本命インディアナポリス・コルツとの大激戦を制したピッツバーグ・スティーラーズ。これで完全に勢いに乗ったスティーラーズの勢いはさらに加速します。2戦連続でメディアの予想を大きく覆したチームは、NFL史上初6位からのスーパーボウル進出かなどの注目をされ始めます。しかし、ここまでの戦いで光ったのはチームの勢いではなく、チームの地力の強さだったのです。4強が残ったNFLのプレーオフではすでにスティーラーズが最も優勝に近いのではという声も上がり始めていました。そして迎えた敵地デンバーでのブロンコスとのカンファレンス・チャンピオンシップ。そこには完全に自信に満ちたスティーラーズがいました。序盤から相手を圧倒し、34-17と完勝ともいえる内容でスティーラーズは史上2チーム目のプレーオフ3試合アウェーでの勝利でスーパーボウルへの切符を手にしたのです。(1チーム目は1985年のニューイングランド・ペイトリオッツ。SBではシカゴ・ベアーズに大敗。)
そしてデトロイトで行われる(第40回)スーパーボウルXXXXで対戦するのは初出場のシアトル・シーホークス。シーホークスはその年NFCで安定した強さを見せつけ、リーグMVPに選ばれたRBショーン・アレキサンダーを中心とする、攻守においてバランスの取れたチームでした。特にRBのアレキサンダーとQBマット・ハッセルベックの見せる攻撃はどのチームからしても脅威でした。プレーオフに入ってからもその実力を存分に発揮し、初のスーパーボウル制覇へ燃えています。それに対してスティーラーズは堅い守備が最大の持ち味でありながら、攻撃では時間をうまく使うラン・オフェンスを持ち合わせるチーム。特にリードしている試合では相手を完全に蚊帳の外におくようなオフェンスを貫き、相手をじわじわと追い詰めていく戦法がプレーオフに入ってからはさらに光るようになりました。(NFLではラン、もしくはパスキャッチ後のランの場合はラインの外に出ない限り、つまりアウト・オブ・プレーにならない限り時計は動き続けます。しかしパスの場合、インコンプリートになると時計は止まるのです。3回投げて3回失敗したら、数十秒しか経たずに相手へパントしなければならないのです。つまり攻撃の選択イコール時間の使い方の選択になるわけですね。有効であるかどうかは試合終盤にわかります。NFLは奥が深い…。)
そんな対照的なイメージを持つ両チームの戦いは序盤、シーホークスが主導権を握ります。しかし、ここで活躍したのはシーホークス自慢のOではなくD。相手を3 and out (10yds進めずにオフェンスシリーズを終えること)を繰り返させます。そして第1QはシーホークスがFGで3点を先制して終えます。第2Qではスティーラーズがペースを握り始めるもロスリスバーガーのインターセプトなどでなかなか得点を奪えません。しかし第2Q終盤に自分のミスを取り返すようにロスリスバーガーが自らの体を犠牲にするような1ydのランでタッチダウンを決め、逆転に成功します。その後シーホークスも急いで攻めFGを蹴りますが失敗に終わり、スーパーボウルXXXXはロースコアであり、どことなく盛り上がりに欠けるものとしてハーフタイムを迎えました。
しかし第3Q早々、そういったムードは消し飛びます。ハーフタイム明け2つ目のプレーでスティーラーズのRBウィリー・パーカーがボールをもらい受けると、そのまま75ydsのタッチダウン・ラン(SB新記録!)を決めたのです。14-3と差を広げることに成功します。これで勢いをつけたスティーラーズは次のオフェンス・シリーズでも相手陣内7ydまで進みます。ここで試合を一気に決めつけたかったスティーラーズでしたが、ここでQBロスリスバーガーが致命的なミスを犯します。エンドゾーンで相手にインターセプトを許したのです。しかも相手にスティーラーズの20ydsまで返されてしまうのです(この76ydsのインターセプトリターンもSB新記録!)。このミスをきっちりタッチダウンで返したシーホークス。14-10とこの試合で初めて緊迫感が生まれます。しかし、この両チームのシリーズで試合の流れは大きく動いたのです。その後全く勢いを失ったスティーラーズのオフェンスに対し、シーホークスは徐々にフィールド・アドバンテージ(スティーラーズのOはより自陣の奥深くから、シーホークスのOはより相手エンドゾーンの近くから始まるようになった)で有利に立っていきます。
そして試合は最終第4Qへ。そこでテンポよくエンドゾーンへ近づいていたシーホークスがミスを犯します。自らのペナルティーやQBサックなどで大幅にヤードをロスし、スティーラーズ陣内の34yd地点、2nd & 25で迎えたダウン。QBハッセルベックは近くに味方すらいない方へと投げてしまったのです。結果はインターセプト。またしてもターンオーバーで試合の流れが変わったのです。そしてなんとか逆転を防いだスティーラーズはすぐさま勝負に出ます。QBロスリスバーガーが後ろのRBパーカーへトスしたボールをさらに、反対側から走ってきたWRアントワン・ランドル・エルにハンドオフする(リバースというプレー)というオプションプレーに出ました。しかしそのプレーはそこで単なるリバースでは終わらなかったのです。ボールを受けたWRランドル・エルはなんとそこからはるか遠くエンドゾーンの近くにいるもう一人のWRハインズ・ウォードへとパスを投げたのです。そのパスが通りタッチダウン。なんとこの大舞台であれだけのビッグプレーを披露したのです。(ランドル・エルは大学時代はQBをやっていたとのこと。) この一つのプレーで事実上勝負は決しました。その後はどちらも決め手を欠き、得点できずに試合終了となりました。21-10、ピッツバーグ・スティーラーズが26年ぶりにヴィンス・ロンバルディー・トロフィーを手にした瞬間でした。

スティーラーズはここ十数年、ずっと強豪チームではありました。しかし、レギュラーシーズンでは圧倒的な成績を残しながらもプレーオフでは毎年のようにふがいない結果に終わってきたのです。それも全てホームの観客の前で。70年代に「スティール・カーテン」の異名を誇り、堅い守りを中心に一つの時代(6年間で4度の優勝)を築いたチームは、70年代以降なぜか優勝から見放されてしまったのです。94年以降も、5度のカンファレンス・チャンピオンシップを本拠地ピッツバーグで行ったが、1勝4敗。スーパーボウル制覇なしという、新しいファンからも、古きよき時代を知るファンからは物足りなさでいっぱいだったはずです。そんな勝負弱さを払拭し、ひさしぶりの栄冠を手にした05-06シーズン。それがどういうわけか、ホームフィールドアドバンテージを取れなかった年に起こったのです。不思議なものです。

The bus' last stop is here in Detroit.
最後に昨年のSBで有終の美を飾り、引退したザ・バスことジェローム・ベティスの言葉です。チーム全体が彼のためにがんばってきたのには最初からある理由があったのです。それはその年のスーパーボウルがデトロイトで行われることからでした。そこはベティスの生まれ育った故郷だったのです。ベティスに凱旋帰郷をという思いでここまでやってきたピッツバーグ・スティーラーズ。個人的には戦いぶりとしては微妙だったな~とも思う面も多々ありましたが、何か不思議な力を持ったチームであったことは間違いないはずです。SBでMVPに選ばれたハインズ・ウォードが、ベティスに最高の形で引退を飾らせることができ、本当に嬉しそうな顔を浮かべていたのが非常に印象に残ったSuper Bowl XL でした

p.s. え~3日に及ぶひっじょーに長い話、最後まで読んで下さった方がいるかどうか微妙ではありますが、どうもありがとうございます。なお、私はペイトリオッツ・ファンでございます。…一応、念のため…。
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